新型コロナ関連融資の返済が本格化する中、返済に不安を抱く業種は? 帝国データバンク調べ

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帝国データバンクが23日に発表した「新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査(2023年2月)」によると、新型コロナウイルス関連の融資を現在借りている企業は49.6%で、そのうち2月時点で融資を5割以上返済していた企業は18.7%だった。今後の返済見通しについては、全額返済できると回答した企業が85.4%だった一方で、返済に不安を抱いている企業が12.2%いることも浮き彫りになった。

帝国データバンクが2月14-28日に調査を実施し、有効回答企業数は1万203社だった。同調査の22年2 月、8月に続いて3回目で、「新型コロナ関連融資」とは、「新型コロナ感染症の拡大に対応して実施された政府系金融機関と民間金融機関による金利や返済条件が優遇された融資」と定義している。

新型コロナ関連融資を「借りていない」企業は 44.8%だった一方、「現在借りている」 企業は
49.6%と約半数となった。「すでに全額返済」は2.0%、「その他/分からない」が 3.6%だった。

融資を借りている企業のうち、23年2月時点で融資の「5 割以上」を返済していたのは 18.7%となった一方、返済が「3割未満」の企業は38.7%、「未返済や今後返済開始」の企業は29.5%だった。前回調査(22年8月)に比べて、返済が徐々に進んでいる結果となった。

返済時期については、現在借りている企業のうち、69.2%が「すでに返済開始」と回答。そのうち67.0%が条件通り返済しているが、2.2%の企業が返済額の減額など条件緩和や返済猶予を受けていた。前回調査(22年8月)との比較では、一部で返済時期を遅らせる動きがみられた。

今後の見通しについては、「条件通り、全額返済できる」が85.4%だった一方で、て「返済が遅れる恐れがある」(4.5%)など、今後の「返済に不安」がある企業は12.2%と一割を超える結果となった。

新型コロナ関連融資の返済に不安感を抱く企業を業種別にみると、影響を大きく受けた「旅館・ホテル」が 39.3%で最も高かったものの、前回調査より不安を抱く割合が低下。飲食店は31.7%で、前回・前々回調査と同様に3割前後で推移している。一方で、「精密機械、医療機械・器具製造」(同 24.1%、前回調査時は8.8%)、「飲食料品小売」、「医薬品・日用雑貨品小売」などでは、返済への不安感が上昇傾向にあり、いずれも 2 割台へと高まっている。

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