業績好調な中小企業の9割以上がDXの必要性を認識も人材不足などが課題。 帝国データバンク調べ

統計・調査記事
この記事は約2分で読めます。

帝国データバンクの「業績好調な中小企業のDX取り組み動向調査」によると、9割近くの企業がDXの必要性を認識し、5割以上の企業がすでに取り組んでいるという結果だった。一方で、成果が出ている企業は約2割に留まり、人材不足などの課題も多い。

帝国データバンクが6日に同調査を公開した。2022年11月15-29日の期間で郵送調査を実施し、有効回答企業数は834社だった。今回の調査は2期連続増収・増益の「業績が好調な中小企業」を対象とした。

回答した企業のうち、「DXに取り組んでおり、成果が出ている企業」は21.6%、「DXに取り組んでいるが、はっきりとした成果はまだ出ていない」が30.7%で「DXに取り組んでいる企業」は52.3%だった。一方で「取り組む予定はない」と回答した企業は12.0%だった。

帝国データバンクのデータを基に当社作成

DXに取り組んでいる企業の中で、「①成果が出ている」、「②やや成果が出ている」と回答した項目で最も多かったのが「業務効率化・生産性向上(①22.0%、②47.0%、合計69.0%)」だった。次いで「コスト削減(①13.3%、②37.4%、合計50.7%)」、「業務プロセス改革・再設計(①12.4%、②37.4%、合計49.8%)」と続いた。DXの目指すゴールの一つである「ビジネスモデル変革」に関して、成果が出ている企業は4.4%、やや成果が出ている企業は20.6%に留まった。

一方で、DX推進の課題・障壁に関しての質問(複数回答)では、「対応できる人材が不足(54.1%)」と半数以上の企業が回答した。次いで「既存システムからの移行が難しい(24.7%)」、「具体的に何をしたらよいかわからない(21.1%)」と続いた。

DXが成果を上げるために重要だと考える要素の質問(複数回答)では、「適切な人材の存在」が35.8%で最も回答が多かった。「経営層の DX に関する知見や熱意(35.1%)」や「適切な DX 戦略の策定(32.8%)」も3割の企業が重要だと考えている。

同調査のまとめでは「DX の必要性を感じながらも取り組めていない企業のなかには、『そもそも具体的に何をしたらよいかわからない』という企業も多かった。その一方で、小さな成功を積み重ねながら、自力で DX を成功させている中小企業もある。そのような企業の取り組みは、他の多くの中小企業にとっても『具体的な取り組みのイメージが湧き、小さな一歩を踏み出せる』好例の可能性がある。そうした成功事例を経営者に向けて発信していくことが、中小企業の DX を促進するうえで必要ではなかろうか」としている。

PAGE TOP