【統計2022】倒産件数は3年ぶり増加も休廃業・解散件数は前年より減少

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帝国データバンクの「特別企画:全国企業『休廃業・解散』動向調査(2022年)」によると、2022年に全国で休業・廃業、解散を行った企業(個人事業主を含む、以下「休廃業」)は前年から約1,300件(2.3%)減少の5万3,426件だった。2022年の企業倒産(法的整理)件数は6,376件発生し3年ぶりに前年を上回り、対照的な結果となった。

※「休廃業・解散企業」とは、倒産(法的整理)によるものを除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態の確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(但し「みなし解散」を除く)を確認した企業の総称のことを指す。

帝国データバンクのデータを基に当社作成

同調査では、3年ぶりに増加に転じた企業倒産については「コロナ禍で減少基調が続いてきたなか、物価高に過剰債務、人手不足といった企業経営を取り巻く『負の影響』に耐え切れなくなり、事業継続そのものを“あきらめる”中小企業の増加が背景にある」と指摘する。一方で「休廃業・解散」の発生を抑制した主な要因として「休廃業では、(ゼロゼロ融資など)こうした良好な資金調達環境に加え、金融機関をはじめ官民一体の伴走支援策によって、休廃業へと傾きつつあった経営マインドに『待った』を掛けたこと」と分析する。

ただ、同調査では「資産が負債を上回るなど現状の財務内容に問題がない企業で『あきらめ休廃業』選択の動きもみられる」とも指摘。長引くコロナ禍に加え、原材料価格やエネルギー価格の高騰、人て確保のための人件費増などで、収益・財政面にダメージを受けた企業の割合が高まっていて、ある程度の経営余力を残している企業でも将来を悲観し、自主的に会社を休業・廃業などを行う「あきらめ休廃業」の機運が高まっている可能性があるという。

2022年の業種別での休廃業では、製造業(2,734件)やサービス業(6,342件)など5業種が減少。一方で、「建設業」(6,936件)「不動産業」(1,802件)の 2 業種は前年から増加した。休廃業を行った代表者の年齢別では2022年平均で 71.0歳となり、2年連続で70歳を超えた。経営者のボリュームゾーンとなる「60 代」「50 代」の割合はいずれも前年から低下し、休廃業動向は代表年齢70歳を境に二極化の傾向が進んでいる。「事業承継がスムーズに進まず、支援から取り残された企業で代表者の高齢化が進み、休廃業・解散を余儀なくされている可能性がある」とも指摘する。

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