7月の企業倒産件数は前年同月比4割増の701件 帝国データバンク調べ 

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帝国データバンクが8日に発表した2023年7月の企業倒産件数は、前年同月比40.5%増の701件だった。15か月連続で前年同月を上回り、連続した増加期間はリーマン・ショック前後の2008年6月-09年8月に並んだ。コロナ禍での手厚い支援もあり20-23年の倒産件数は比較的抑えられていたが、物価高や人手不足、さらにコロナ融資の返済も始まっており、倒産件数の増加が続いている。

(出典:帝国データバンク)

業種別では全業種で前年同月を上回った。「サービス業」(173件、前年同月比40.7%増)が最も多く、17カ月連続で前年同月を上回り、増加期間は2000年以降で最長となった。次いで、「小売業」(152件、同60.0%増)、「建設業」(139件、同46.3%増)が続いた。

(出典:帝国データバンク)

主因別では、「販売不振」が570件(前年同月400件、42.5%増)で最多。全体の81.3%を占めた。「売掛金回収難」(同0件→2件)などを含めた『不況型倒産』の合計は575件(同402件、43.0%増)となり、全体の82.0%(同1.4ポイント増)を占めた。

(出典:帝国データバンク)

業歴別では、「30年以上」が221件(前年同月149件、48.3%増)で最も多く、全体の31.5%(対前年同月1.6ポイント増)を占めた。このうち、老舗企業(業歴100年以上)の倒産は5件(同7件、28.6%減)だった。業歴10年未満の「新興企業」は222件(前年同月138件、60.9%増)と、17カ月連続で前年同月を上回った。

地域別にみると、3カ月ぶりに全地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月190件→252件、32.6%増)は、「東京」(同97件→132件)が6カ月連続で前年同月から20%を超える大幅増となった。

同レポートでは、今後について「企業の収益力が回復せずゼロゼロ融資が返済できない企業の倒産や、景況感の好転で仕入増などに伴う運転資金需要に資金調達が追い付かない「息切れ」倒産の急増が懸念される。足元では、2023年1-7月の企業倒産が4707件と、前年同期(3544件)の1.3倍ペースで推移しており、23年通年の企業倒産は22年(6376件)を大きく上回って8000件を超えるとみられる」と指摘する。

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