財務省が20日に発表した2022年度の貿易統計（速報）によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は21兆7,285億円の赤字だった。円安や資源価格の高騰などの影響で2年連続の貿易赤字で、赤字幅は統計の比較が可能な1979年度以降で過去最大となった。
輸出は99兆2,265億円（対前年度比15.5％増）、2年連続の増加で過去最大額だった。増加した品目は自動車が伸率（金額）28.0％（寄与度＋3.5）、鉱物性燃料が同83.9％（寄与度＋1.2）、鉄鋼が同15.1％（寄与度＋0.7）などだった。
輸入は120兆9,550億円（対前年度比32.2％増）、2年連続の増加で、こちらも過去最大額だった。増加した品目は、原粗油が伸率（金額）70.8％（寄与度＋6.2）、石炭は同139.5％（寄与度＋5.5）、液化天然ガスが同77.6％（寄与度＋4.2）などだった。
地域別では対米国の貿易収支は、6兆6,534億円の黒字だった。輸出は18兆7,030億円（対前年度比21.3％増）で2年連続の増加。自動車、建設用・鉱山用機械、原動機などの輸出額が増加した。輸入は12兆496億円（同26.8％増）で2年連続の増加。医薬品、石炭、原動機などの輸入額が増えた。
対EUの貿易収支は、1兆7,728億円の赤字。11年連続の赤字だった。輸出は9兆5,788億円（同20.9％増）で2年連続の増加。自動車、半導体等製造装置、鉄鋼などの品目の輸出額が増加した。輸入は11兆3,516億円（同13.8％増）で2年連続の増加。医薬品、自動車、科学光学機器などの輸入額が増えた。
対中国の貿易収支は、6兆8,142億円の赤字。2年連続で赤字幅が拡大した。輸出は18兆5,139億円（同1.3％増）で3年連続の増加だった。音響・映像機器、鉱物性燃料、半導体等電子部品などの輸出額が増加した。輸入は、25兆3,280億円（同19.6％増）で3年連続の増加。通信機、衣類・同付属品、音響映像機器（含部品）などの輸入額が増えた。
同日に発表した23年3月の貿易統計（速報）は、貿易収支は7,545億円の赤字となり、20ヵ月連続の赤字だった。