21年度の温室効果ガスの排出量、8年ぶりに増加 環境省

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環境省は21日に「2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値)」を発表した。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いた21年度の日本の温室効果ガス排出量は、前年度比2.0%増の11億2,200万トン(CO2換算)だった。新型コロナ影響からの経済活動の回復でエネルギー消費量が増加し、8年ぶりに増加に転じた。ただ、コロナ禍前の19年度からは3.4%減少しており、環境省は「2030年度目標の達成及び2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組については一定の進捗が見られる」としている。

出典:環境省・国立環境研究所「2021年度温室効果ガス排出・吸収量(確報値)概要」

21年度の温室効果ガスの排出量は11億7000万トン(前年度比2.0%増)だった。部門別のCO2排出量(電気・熱配分後)は、工場などの「産業部門(3億7,300万トン、構成比35.1%)」が最も大きく、次いで事業所などの「業務その他部門(1億9,000万トン、同17.9%)」、自動車などの「運輸部門(1億8,500万トン、同17.4%)」、「家庭部門(1億5,600万トン、同14.7%)」の順だった。

前年度からのCO2排出量の主な部門別の変化では、「産業部門」が5.4%増加(+1,910万トン)、「運輸部門」が0.8%増加(+140万トン)、「業務その他部門」が3.3%増加(+600万トン)と経済活動の回復によるエネルギー消費量が増加したことがうかがえる。一方、「家庭部門」は外出自粛の緩和などで在宅時間が減少し、6.3%減少(▲1,050万トン)だった。

21年度の森林などからの吸収量は4,760万トンで、前年度比3.6%増加(+160万トン)と、4年ぶりに増加に転じた。森林整備の着実な実施や木材利用の推進などが主な増加要因と考えられる。

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