中小企業の価格転嫁状況を発表、業種別のランキングも 中小企業庁

統計・調査記事
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経済産業省・中小企業庁は20日、中小企業などを対象に、価格交渉や価格転嫁に関する調査結果を発表した。価格交渉ができた割合は63.4%と前回調査(22年9月、同58.4%)より増加した。コスト上昇分のうち価格転嫁できた価格転嫁率は47.6%と前回調査(同46.9%)から微増だった。

価格交渉ができた(価格交渉を申し入れて応じて貰えた/発注側からの声かけで交渉できた)割合は前回調査(22年9月)より増加(58.4%→63.4%)した。一方で、「発注側から交渉の申し入れが無かった/協議に応じて貰えなかった/減額のために協議申し入れがあった」の合計が依然として約16%あり、二極化が進む。

回答を基に、発注側企業が価格交渉に応じたかを業種別に集計したランキングでは、相対的に価格交渉に応じている業種は、造船、繊維。応じていない業種は通信、トラック運送、放送コンテンツだった。

(中小企業庁のデータを基に作成)

「コスト上昇分のうち何割を価格転嫁できたか」を集計した価格転嫁率は47.6%で前回(22年9月、同46.9%)より微増となった。価格転嫁率が47.6%ということは、コストが100円上昇した場合に47.6円しか販売価格に反映できていないことを示している。コスト上昇分のうち、「高い割合(7割~10割)」を価格転嫁できたと回答した企業は39.3%で前回調査(同35.6%)より増加。一方で、「全く転嫁できない+減額された」企業の割合は23.5%となり、前回調査(同20.2%)より増加、価格転嫁率でも二極化が進む。

(中小企業庁のデータを基に作成)

回答を基に、価格転嫁率を業種別のランキングでは、相対的に価格転嫁に応じている業種としては、石油製品・石炭製品、卸売。応じていない業種は、トラック運送、放送コンテンツ、通信だった。

(中小企業庁のデータを基に作成)

原材料価格やエネルギー価格等が上昇する中、中小企業が適切に価格交渉・転嫁できる環境を整
備するため、政府では毎年9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定している。今回は23年3月の価格交渉促進月間の取組の一環として中小企業に対するフォローアップ調査を実施し、その結果をした発表した。アンケート調査は4月7日-5月31日に実施し、配布先の企業は30万社で回答企業数は17,292社だった。下請Gメンによるヒアリング調査は4月17日-4月28日に実施し、ヒアリング件数は約2,243社だった。

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