【インボイス調査】順調に対応できている企業は6割超、一方で懸念も多く 帝国データバンク調べ

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帝国データバンクは13日、「インボイス制度に対する企業の対応状況アンケ―ト」を発表した。インボイス制度(適格請求書等保存方式)に、「順調に対応できている」企業は3社に2社(65.1%)だった一方で、制度の導入によって、現在または今後に「懸念事項あり」の企業は9割に上った。

アンケ―トは帝国データバンクが10月6-11日に実施し、有効回答企業数は1,494社だった。

10月1日から開始されたインボイス制度について、自社の対応状況を聞いた問いでは、65.1%が「順調に対応できている」と回答し、企業の3社に2社が順調にスタートを切っていることが分かった。一方で「対応がやや遅れている」は28.5%、「対応が大幅に遅れている」は3.1%だった。

(出典:帝国データバンク)

会社規模別では、「順調に対応できている」企業の割合は「大企業」が71.5%に対し「中小企業」は64.2%、「対応がやや遅れている」においては「大企業」24.4%に対し「中小企業」29.1%であった。「大企業」に比べ「中小企業」で対応が遅れている様子がうかがえる。

(出典:帝国データバンク)

インボイス制度の導入による懸念事項(現在/今後)について聞いた問いでは、「懸念事項あり」の企業は91.0%と9割にのぼった。「懸念事項なし」は6.0%、「分からない」は2.9%だった。

懸念事項の内容(複数回答)については、「業務負担の増加(他業務への影響含む)」が71.5%で7割となり、最も高くなった。次いで「社内での理解・連携不足」(51.0%)、「仕入先への対応」(50.1%)が5割台で続いた。そのほか、「請求書の受領時のミス」(36.1%)などが上位にあがった。

(出典:帝国データバンク)

同アンケートでは、「2024年1月からは新たに改正電子帳簿保存法の対応も必要になるため、事務の負担が重くなるとも言われ、インボイス制度が定着するには今しばらく時間を要するであろう。そのほか、インボイス制度に対応するなかで企業の不安や混乱が深まるケースが出てくることも十分に予想され、課題解決に向けたサポートに加え、デジタル化の推進につながる仕組みづくりが急がれる」と指摘する。

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