【保存版①】2022年版中小企業白書の統計データを抜粋してみた(国内経済の現状編)

統計・調査記事
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 毎年、経済産業省中小企業庁から発行される中小企業白書。2022年版の白書は表紙から参考文献などを含めると590ページに及ぶ。各種統計データや事例紹介は中小企業の現状を把握するのには非常に役に立つが、全てのページを読み切るのは時間的にも労力が掛かる。そこで、製造業に関係する統計データを、製造業に関係する者が参考にしやすいように抜粋して、数回に分けて紹介する。第1回目は国内経済の現状についてまとめた。

「中小企業白書 2022」の全文はこちら

※以下、本文中の文章は「中小企業白書 2022」から一部抜粋したもの。
※本記事の図はすべて「中小企業白書 2022」から抜粋しているが、元データの参照元は図表内に記載されている。

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まず中小企業白書は中小企業基本法に基づく年次報告で22年版で59回となる。中小企業基本法上の中小企業の定義は下記となる。

(出典:中小企業白書 2022)

実質GDP成長率の推移

21年は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続き、我が国経済も大きな影響を受けた。実質GDP成長率の推移では21年は前年比1.6%増となった。21年初頭から発出された2回目の緊急事態宣言と時期を重ねるように、第1四半期にはマイナス成長に転じた。その後は感染状況に左右されながら、21 年第4四半期は前期比1.1%増とプラス成長となった(第1-1-1図)。

(出典:中小企業白書 2022)

業種別の業況判断DI の推移

次に、業況や生産活動の動向について概観する。業種別の業況について、日本銀行「全国企業短観経済観測調査」(以下、「日銀短観」という。)の業況判断DIの推移を用いて確認する(第1-1-2図)。業況判断DIは、2020年第2四半期を底に回復傾向にあり、2021年第4四半期には全産業でプラスに転じた。

DIとは:(ディー・アイ)とは、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したもの。

(出典:中小企業白書 2022)

鉱工業生産指数の推移

続いて、経済産業省「鉱工業生産指数」を用いて鉱工業の生産活動の状況を確認する(第1-1-3図)。感染症の影響により、20年2月から5月まで鉱工業生産指数は大幅に低下した後、同年6月以降は一転し、勢いのある上昇が続いた。21年は、7月から9月において再び低下した後、10月から上昇し持ち直しの動きが見られているが、足元では、供給制約などが下押ししている。

鉱工業生産指数とは:鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動、製造工業の設備の稼働状況、各種設備の生産能力の動向の把握を行うことを目的に経済産業省が毎月公表しているもの。

(出典:中小企業白書 2022)

地域別輸出数量指数の推移

輸出入や海外現地法人の活動状況など対外経済関係の動向について見ていく。第1-1-8図及び第1-1-9図は、地域別の輸出入数量指数の推移について見たものである。輸出数量指数は、20年5月にかけて急速に低下した後、上昇傾向で推移していたが、その後増勢が鈍化。足元では、おおむね横ばいで推移している。また、地域別には足元、米国向けは弱含む一方、アジアやEU向けは100を超える水準となった。

(出典:中小企業白書 2022)

地域別輸入数量指数の推移

輸入数量指数は、21年上半期に感染症流行前の水準に回復しつつも、上昇と下落を繰り返しながら推移している。また、地域別には足元、米国からの輸入は依然として感染症流行前の水準まで回復していないが、アジアやEUからの輸入は100を超える水準となった。

(出典:中小企業白書 2022)

地域別海外現地法人の売上高の推移

国内企業の海外現地法人の売上高の推移を見たものが第1-1-10図である。各地域においておおむね回復傾向にあり、北米を除き、感染症流行前の水準まで回復している。

(出典:中小企業白書 2022)
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