自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大による影響、ロシアによるウクライナ侵攻など、企業を取り巻く様々なリスクが顕在化する中、事業継続計画(BCP)の策定が思うように進んでいない。帝国データバンクが14日に発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022 年)」によるとBCPを策定している企業は17.7%だった。BCPを策定していない企業では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」ことを理由にあげる企業が4割超に上った。
帝国データバンクが5月18-31日で調査を実施し、有効回答企業数は1万1,605人社だった。
BCPを「策定している」企業は17.7%(前年比0.1ポイント増)と前年からほぼ横ばいとなった。企業規模別でみると、大企業は33.7%(同1.7ポイント増)と上昇した一方、中小企業は14.7%(同横ばい)となった。
BCPの「策定意向あり」とする企業のうち、事業継続が困難になると想定するリスクでは、「自然災害」が71.0%でトップ。新型コロナウイルスなど「感染症」(53.5%)は前年から大幅に低下した一方、「情報セキュリティ上のリスク」(39.6%)、「物流の混乱」(30.4%)、「戦争やテロ」(19.0%)といった項目が大幅に上昇した。
BCP を「策定していない」企業は 42.1%(前年比 0.4 ポイント減)となった。BCP を「策定し
ていない」理由では、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(42.7%)、「策定する人材を確
保できない」(31.1%)などが上位にあがった。
同調査では、従業員の安否確認手段の整備など「従業員や設備などの経営資源を守る」取り組みは高い割合となった一方で、代替生産先・仕入先・業務委託先・販売場所の確保など「経営資源が不足する場合は代替する」取り組みは低い割合となっていたと分析。
特に「代替要員の事前育成、確保は12.7%と8社に1社程度である。代替要員を育成するため業務の見える化、マニュアル化といった取り組みを企業として推進し、業務の属人化を解消していくことも、企業の事業継続にとって重要となる」と指摘している。
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