値上げ実施済み・予定企業は7割に迫る 帝国データバンク調べ

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 原材料価格が高騰している中、値上げに踏み切る企業が増えている。帝国データバンクは15日、「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(2022 年6月)」を実施し、値上げ実施済みまたは値上げ予定企業が68.5%だったとの調査結果を発表した。急激な円安や、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、世界的に原材料価が高騰。状況が改善する兆しが見えない中、企業による値上げは、夏以降も続くことが予想されると分析する。

 同アンケートは、帝国データバンクが6月10-13日に実施し、有効回答企業数は1,701社だった。

 「2022年4月以降に値上げ実施済・予定」企業を業界別でみると、『卸売』(87.6%)や『製造』(79.9%)での割合が高く、全体平均(68.5%)を10ポイント超上回った。さらに業種別では、「飲食料品・飼料製造」が91.3%、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」が89.1%、「飲食料品卸売」が88.5%となり、これらの業種で値上げが進んでいる。企業からは「木材・コンクリートなどは、ウッドショックや急激な円安、ロシア問題などで、すでに尋常でないほど価格が上昇し、値上げせざるを得ない状況にある」(木材・竹材卸売)といった意見があがった。

 一方で、「情報サービス」(12.0%)、「不動産」(29.6%)、「運輸・倉庫」(51.2%)の業種では、値上げを実施している企業の割合が低くなった。「値上げして自社のビジネスチャンスを損ないたくない」(ソフト受託開発)、「値上げをすれば契約打ち切りのリスクがかなり高い」(一般貨物自動
車運送)と、他社との競合などから、人件費や燃料費などの上昇分を転嫁しにくい状況がうかがえる。

 4月に実施した同様の調査と比較すると、「2022年7月~9月ごろに値上げ予定」の企業は11.3ポイント上昇(4 月調査:8.6%→6 月調査:19.9%)、「2022年10月~12月ごろ値上げ予定」の企業は6.7ポイント上昇(同:2.6%→同:9.3%)しており、この2カ月の間に値上げを考える企業の勢いが増していることが分かった。

企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(2022年6月)| 株式会社 帝国データバンク[TDB]
値上げ実施済・予定企業は7割 〜 7〜9月の値上げ予定、4月時点から11ポイントアップ、「食品」目立つ 〜
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