中小企業の4分の3はBCP策定せず 東京商工リサーチ調べ

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 東京商工リサーチは18日、BCP(事業継続計画)を策定している中小企業は24.5%だったとのアンケート調査を発表した。自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大に加え、ロシアのウクライナ侵攻など地政学的なリスクなどでBCPの重要性が高まっている中、BCP対策が進んでいない現状が浮き彫りになった。

 「BCPを策定している」と回答した中小企業は24.5%(1091社)で4社に1社にとどまった。「策定する予定」は28.0%(1247社)だった。一方、「策定したいができない」は16.7%(744社)、「策定の予定はない」は30.6%(1361社)だった。

 BCP策定済みの内容では、「自然災害」や「感染症」が多かった一方、「戦争・紛争・テロ」、「電力不足」に対しての対策が遅れている結果だった。ロシアのウクライナ侵攻で電気、ガスなど、エネルギー供給不足が懸念され、「電力不足」に対するBCP策定が急がれる。

 同調査では、「取引先や下請企業がBCPを策定している場合、取引における評価を高める企業も増えている。金融機関でも、不測の事態への対応をプラス評価にすることもある。BCPは、緊急時の備えとしてだけではなく、ガバナンス体制など経営全体への評価と考えられるようになっている」として「BCP策定は話題性と実際の策定に乖離があり、まだ大きな広がりになっているとは言い難い。だが、策定していると経営基盤の強化と同時に、評価にもつながる」とまとめている。

 アンケートは2022年4月1-11日に行い、中小企業の有効回答は4443社だった。

TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
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